守る会のご紹介


守る会…『全国重症心身障害児(者)を守る会の略称』…とは?

重症心身障害児(者)はわずか0.5%…!

 重い肢体不自由と重い知的障害とが重複した子供たち(成人を含めて)を「重症心身障害児者」と言い、日本では障がい者全体のわずか0.5%にすぎません。

 そのため国の福祉制度の中では見落とされがちになってしまい、50年ほど前は「社会の役に立たない者には国の税金は使えない」という風潮があったと聞いています。

親や家族の運動が必要です

 こうした考えは現在でも一部のひとたちの考えの中にあります。重症児者は障がいが重く、自らの意志を声に出して伝えることができません。親や家族がその意志をくみ取って、命を守りより良い生活・人生が送れるよう運動していかなければなりません。

重症心身障害児(者)を守る会とは?

 守る会は重症児者の福祉や医療・教育の充実を願って活動しています。会員は親や家族・保護者を中心に医療や支援者などで、国への働きかけや各種福祉制度の委員として参加し、直接意見を反映させるなどの活動を続けています。


守る会の活動について…ご紹介

① 国の福祉制度や施策への働きかけを行っています。

 守る会本部では厚労省の障がい福祉制度や医療について、また文科省による教育の充実について、専門的に研究を行い、重症児者の「児者一貫」した制度についての要望活動など、国の施策に意見と要望を反映されるような活動を行っています。

② 全国大会・研修会を開催しています。

 毎年開催の全国大会では、厚労省や文科省の担当の方に出席を求め、障がい福祉施策や障がい児支援施策について直接説明をうけて理解を深めると共に、子供たちの実態や要望を意見発表として直接声を届ける活動を続けています。

③ 月刊誌「両親の集い」を発行し全会員や関係諸団体に送付布しています。

守る会本部から送付される機関紙「両親の集い」

 守る会では、全国の重症児者の親が心のつながりを深めるため、さらに重症児者問題をより多くの人々に理解していただくために、「両親の集い」を毎月一回発行しています。

 会報は会員の状況や情報提供だけではなく、重症心身障害にかかわる医療や介護などの専門的な最新の研究成果を紹介するなどの役割を持っています。そのため難しい紙面になりがちですが、会員は子供たちのためにより良い方法について理解を深めることができています。

 


大島の分類

 

: 「重症心身障害児()」とは、重度の肢体不自由と重度の知的発達障害とが重複した状態を重症心身障害といい、その状態にある子どもを重症心身障害児といいます。さらに、成人した重症心身障害児を含めて重症心身障害児(者)と呼ぶことに定めています。

 

 これは、医学的診断名ではありません。児童福祉での行政上の措置を行なうための定義(呼び方)です。この判定基準は、国は明確にしていませんが、現在では、元東京都立療育センター院長大島一良博士により考案された分類(大島分類)で、14に該当する方を指します。(59は周辺児と呼ばれています。)


 守る会は重症児運動に当たって、自分の利益のみを主張することなく運動を進めるために、以下の三原則を基本理念として運動を行うこととしています。

守る会の三原則・親の憲章


守る会の三原則

一、決して争ってはいけない。争いの中に弱いものの生きる場はない。

一、親個人がいかなる主義主張があっても重症児運動に参加する者は党派を超えること

一、最も弱いものをひとりももれなく守る


親の憲章(親の心得)

(生き方)

一、重症児をはじめ、弱い人びとをみんなで守りましょう。

一、限りなき愛をもちつづけ、ともに生きましょう。

一、障害のある子どもをかくすことなく、わずかな成長をもよろこび、親自身の心をみがき、健康で豊かな明るい人生をおくりましょう。

(親のつとめ)

一、親が健康で若いときは、子どもとともに障害を克服し、親子の愛のきづなを深めましょう。

一、わが子の心配だけでなく、病弱や老齢になった親には暖かい思いやりをもち、励まし合う親となりましょう。

一、この子の兄弟姉妹には、親がこの子のいのちを尊しとして育てた生き方を誇りとして生きるようにしましょう。

(施設や地域社会とのつながり)

一、施設は子どもの人生を豊かにするために存在するものです。施設の職員や地域社会の人々とは、互いに立場を尊重し、手を取り合って子どもを守りましょう。

一、もの言えぬ子どもに代わって、正しい意見の言える親になりましょう。

(親の運動)

一、親もボランティア精神を忘れず、子どもに代わって奉仕する心と、行動を起こしましょう。そして、だれでも住みよい社会を作るよう努力しましょう。

一、親の運動に積極的に参加しましょう。親の運動は主義や党派に左右されず、純粋に子どもの生命の尊さを守っていきましょう。